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労災保険 雇用保険

役員と従業員の労務管理に関する法律上の違い②労災保険法・雇用保険法

2017/02/02

昨日の続きです。

役員と従業員の労務管理に関する法律上の違い①労働法

昨日のおさらいをすると、

  • 会社法上の役員とそうでない役員がいる
  • 会社法上の役員は労働者ではない(以下、会社法上の役員)
  • 会社法上の役員でない役員は労働者(以下、執行役員)
  • 労働者の立場と会社法上の役員を兼務している役員は、労働者でもありそうではない部分もある(以下、兼務役員)

で、今日はこれらを踏まえて、より実務的な話として、労災保険や雇用保険の適用について見ていきたいと思います。

 

役員と労災保険の適用

会社法上の役員

労災保険の適用対象となるのは基本的には労働者だけです。

よって、会社法上の役員は労災保険の適用を受けられません。

ただし、中小事業主の場合は特別加入することで、労災保険の適用を受けることができます。

テーマは特別加入、「中小企業なら経営者も(働く人を守る労働保険第25回:中日新聞連載)」

 

執行役員

執行役員は労働者に当たるので、特別加入しなくても、労災保険の適用を受けることができます

 

兼務役員

兼務役員については、労働者性が認められる場合は労災保険の適用を受けられます。

労働者性とは、簡単に言うと労働者として働いていると客観的に認められる状態のこと。

よって、兼務役員が労働者として働いていたり通勤している中で災害に遭った場合は、労災の適用は受けられるけれど、役員として経営会議に参加しているようなときの災害については、適用は受けられません。

 

兼務役員が休業補償給付など労災から給付をもらう場合、基準となるのは労働者としての賃金なので、「役員報酬」分は含まれません。

これは保険料も同様なので、申告の際に間違えないようにしましょう。

また、兼務役員であっても特別加入することは可能です。この場合は、役員として業務を行っている際の災害でも労災から給付を受けることができます。

 

役員と雇用保険の適用

会社法上の役員

雇用保険の被保険者とならないため、雇用保険の適用はありません。

 

執行役員

執行役員は労働者に当たるので、雇用保険の被保険者となることができます。

 

兼務役員

兼務役員については、労働者的な正確が強く雇用関係があると認められる場合、雇用保険の被保険者となれることがあります。

その際、「兼務役員にかかる雇用保険被保険者資格要件証明書(リンク先PDF ※)」をハローワークに提出する必要があり、それを見てハローワークが被保険者に当たるかどうかを判断します。

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※ 愛知県の場合。都道府県によって様式や扱いが異なります。

ただし、被保険者となった場合も、労災保険と同様に給付については役員報酬の分は除かれ、労働者としての賃金だけで計算します。

保険料についても労災保険と同様ですのでお間違えなく。

 

以上です。

労災保険や雇用保険は労働者にしか適用されない保険のため、役員の労働者性が非常に重要となることがわかってもらえたのではないでしょうか。

最後となる明日は社会保険の適用についてです。

 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。