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社会保険

短時間労働者の残業の恒常化は所定労働時間の増加につながり、社保加入の可能性も

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10月に入り、いよいよ社会保険の短時間労働者への適用拡大が始まりました。

恒例ですが、条件の方をまとめておきましょう。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上
  2. 月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)
  3. 1年以上継続して雇用される見込みがある
  4. 被保険者の数が501人以上の企業
  5. 学生でない

以上の1.~5.のすべてを満たす場合、その労働者は社会保険に加入しなければなりません。

 

契約と実態

さすがに10月に入ったので、対象となる労働者の方々の契約の見直し等は済んでいるかと思います。

が、契約はあくまで契約。

日本の労務の管理では、契約内容よりも実態を見るのが基本です。

つまり、契約上は労働時間が20時間未満だったり、月額賃金8.8万円未満であっても、実態として超えている場合は社会保険へ加入しなければならないわけです。

では、その実態はどう見るのでしょうか。

以前の記事では、そのへんが曖昧でしたが、今回新たな資料が年金機構から出たことで、そのあたりが明確になりました。

 

2ヶ月以上週所定労働時間が20時間を超えた場合は取得

先月の29日(土壇場過ぎ!)に新しく第二版が年金機構から出されたQ&A集・問18の2によると、

問18の2 就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間が20時間未満である者が、業務の都合等により向上的に実際の労働時間が20時間以上となった場合は、どのように取り扱うのか。

(答)実際の労働時間が連続する2月において週20時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いているまたは続くことが見込まれた場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3月目の初日に被保険者の資格を取得します。

資料:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(第2版(平成28年9月30日更新))(リンク先PDF 参照:日本年金機構

とあります。

つまり、2ヶ月連続で週20時間を超えている場合で、今後もそれが見込まれる場合、その翌月初日から社会保険に加入しないとダメだよ、というわけです。

もっと言うと、「実際の労働時間が週20時間以上となった月の3月目の初日に被保険者の資格を取得」とあるので、例えば、週20時間以上の状態が半年くらい続いていたとしても、7ヶ月目ではなく、3ヶ月目に遡って被保険者の資格を取得する、と考えられるわけです。

遡りでの資格取得となると、社会保険料の負担が一時的に重くなるので、会社としても注意が必要です。

 

労動時間≒基本給

今回の適用拡大の影響を受ける方々というのは基本的にはみな時給制かと思われます。

たまたま残業が多くて、所定外労動時間が増える分には「残業代」ということで、その分の賃金は月額8.8万円の中に含む必要はありません。

逆に言うと、契約が月額8.8万円以内になっていて、それが一時的なものであれば、繁閑による残業代の多寡を気にする必要はないわけです。

しかし、上記の取扱のように、それが恒常的なものと考えられ、結果、労働時間が増えると、増えた分の賃金は残業代ではなく、基本給に含まれると考えられます。

そのため、契約上は月額8.8万の中に収まっていたとしても、実態はそれを超えるということも起こりえるので注意が必要です。

 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。