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ブラック企業

「誰に」ブラック企業と呼ばれたくないのか(後編)

2016/04/20

前回の続きです。

「顧問先をブラック企業にしない」ことと「顧問先をブラック企業と呼ばせない」こととではどう違うのかという話で終わっていました。

わたしの考えでは「顧問先をブラック企業にしない」という考え方は、その会社自体がブラック企業でなければ、その会社をブラック企業と呼ぶ人はいないだろう、という姿勢が根本にあると思います。つまり、ブラック企業と呼ばれるかどうかは周り次第、割と受動的ですね。

その一方で、「顧問先をブラック企業と呼ばせない」という考え方は、自分の会社をブラック企業呼ばわりする相手に対して、より能動的に、ブラック企業と呼ばせないという姿勢が含まれます。

受動的か能動的か、それが両者の違いです。

しかし、前回も指摘したように、どんなに法律を守って、労働者を守る努力をしても、誰か1人でもその企業をブラック企業呼ばわりすれば、ブラック企業扱いされてしまう可能性があります。そのため、「顧問先をブラック企業にしない」という姿勢は、終わりなき戦いになりかねません。

一方で、「顧問先をブラック企業と呼ばせない」ようにするのは簡単です。その企業をブラック企業呼ばわりする連中の口をふさいでしまえばいいわけです。¥ブラック企業と呼ぶ人間がいなくなればブラック企業と呼ばれることもないわけです。

さて、ここで質問です。

もしもあなたがどこかの会社の社長だったら、誰にブラック企業と呼ばれたくないですか?

「みんなに」とか「世間に」と考えてしまいがちですが、それでは範囲が広すぎますし、意味も曖昧で、「顧問先をブラック企業にしない」と同様に、終わりなき戦いへ特攻するのとほぼ同義となリます。なので、もっと具体的に考えてみてください。

言われたくない相手としてパッと思い浮かぶのは、だいたい下記のものではないでしょうか。

  1. 国(厚労省や監督署)
  2. 取引先の企業や顧客
  3. 自社の社員
  4. 自社の社員以外の一般人
  5. 労働組合およびユニオン
  6. ブラック企業対策を生業とする弁護士やNPO
  7. マスコミ

このうち、誰に一番ブラック企業と呼ばれたくないか。

わたしが考えるに、それは圧倒的に3の「自社の社員」ではないでしょうか。

なぜなら、自社の社員が自分の会社をブラックと吹聴しなければ、基本的に2や4や6や7にそれが伝わることはまずないからです。また、5に関しても、労組を組織する人間のすべて(社内労組)、もしくは一部(ユニオン)が3なので、3で対応ができていれば問題ありません。

1に関しては、コンプライアンスをきちんとしておけば基本的には問題ありません。相手が公務員である以上、法律に定めのないことまで彼らが何かしようものなら、それは権利の濫用、憲法違反なわけですからね。

つまり、社労士のブラック企業対策というのは、顧問先の社員に顧問先をブラック企業と呼ばせないことが重要なわけです。

もちろん、口封じ的に、言わないことを強制するような真似は間違ってもやるわけにはいきません。

労働者が自分の会社に対してブラック企業と呼ぶとすれば、それは会社に対して不満があるからでしょう。なので、そうした不満を上手く取り除けるように労使間できちんと話し合って、お互いが納得して働ける環境を作る、それが一番のブラック企業対策なのではないでしょうか。

なんだか、あまりに普通の、そして、社労士としても当たり前の話になってしまいましたが、流行語なんて案外そんなもの、ようは労務管理の本質を見失わないことが重要なのです。

では、今日はこのへんで。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。