日本型新裁量労働制を考える
というタイトルですが、実は余り考える必要はないかもです。
なぜなら、対象労働者に「強制休暇」を与えることが導入の要件になっていたりもしますが、結局この日本型新裁量労働制というのは、要はホワイトカラーエグゼンプションと大差ないからです。
しかも、解雇規制の緩和等の、正社員に対する厚すぎる保護に対してはノータッチ。
となると、わたしの意見は過去の記事と同様、絶対に導入した方がいいが今の日本では絶対にダメ、ということに相成ります。
この案は産業競争力会議の分科会で出されたものです。
「雇用・人材分科会」主要論点メモ(労働時間規制等)(.pdf)
そして、上記の資料には①日本型新裁量労働制の他に、
②テレワーク等の在宅勤務に適合した制度制定や、③年次有給休暇取得促進、時間外労働削減・短時間労働の促進についても話し合われていたようです。
②に関しては特に反論はありませんが、③の中身にある「未消化分の一定比率分の買い上げを要請する」というのはいただけませんね。なぜいただけないかというのは、これまたわたしのブログの過去記事をご参照ください。
さらに上記の資料には、「ジョブ型」の働き方、という項目もありますが、これも要は限定正社員のこと。ということで、わたしの過去記事。
限定正社員は単なる言葉のマジック
限定正社員はすでに導入されている
手抜きか? てなぐらいに自分の過去記事リンク祭りになってしまいましたが、ようはそれだけ雇用問題の抜本的改革というのは同じ所で堂々めぐりしていて、何も変わらないし、変わったと思ったら最悪な改悪だったり、というなんとも暗鬱たる状況にあるということです。