書評

【書評】「Chikirinの日記」の育て方、を読んで

2013年11月27日

「Chikirinの日記」で有名なブロガー・ちきりんさん初のkindle版のみの本、『「Chikirinの日記」の育て方』を読みました。

電子書籍のみの販売にもかかわらず、値段は結構高め。そして、ボリュームは一般的な新書と比べて、ちきりんさんの文章の抜群の読みやすさのせいで短く感じる部分もあるかもしれませんが、それを差し引いてもやや少なめ。

内容としては、ブログ「Chikirinの日記」の歴史と平行して、ちきりんさんが「日記」を書いていく上で気をつけていることやこだわりなどが書かれています。

オススメかどうかといえば、普段から「Chikirinの日記」を熟読されている方には十分オススメできますが、全然読んだことがない人はまずそちらをある程度読んでそれから考えたほうがいいでしょう。

歴史とポリシーが平行して書かれているので、「Chikirinの日記」の9年間の歴史のあいだに起こった事件とちきりんさんのポリシーがぶつかったときに、どのような決断を下したか、そして、どうしてそのような決断を下したか理由が非常にわかりやすく、読んでいる人も納得できるものになっています。

読んでいて、なるほど、と思ったのは「1つのエントリでは、1つのメッセージだけを伝える」という考え方。

「メッセージを伝える」という意思があるから、どんなにエントリが長くなっても、ちきりんさんの文章は非常にまとまっているし、エントリにそのメッセージが1つしかないから読む側も混乱せずに済む。

突然ですが、わたしは、最近は家に帰るとWiiUのスーパーマリオ3Dワールドをプレイしています。このゲーム、今までのマリオと比べても新要素がかなり多いのですが、にもかかわらず、プレイする側はほとんど混乱せずにプレイすることができます。

どうしてかなあ、と不思議に思っていたのですが、ちきりんさんのこの考えを知って合点がいきました。

なぜなら、ちきりんさんのエントリには「1つのエントリでは、1つのメッセージだけ」があるのと同様に、スーパーマリオ3Dワールドには「1つのステージに1つの新要素」しか含まれていないのだと気づけたからです。もちろん、マリオの方はステージを進むごとに新要素と新要素を組み合わせたステージも多く出てきますが、その組み合わせ自体もある意味「新要素」であり、あまり多くを掛け合わせてごちゃごちゃならないよう気を使ってデザインされています。

ジャンルは違えど、多くの人に受け入れられるものには共通点があるということですね。

翻って、僕がブログを書く時というのは法改正や労働関係の時事ネタが多いわけですが、そういったものをネタにしていると、結局その解説に終始してしまって自分の意見を書かずじまいだったり、自分の視点があっちにこっちにとっちらかったりしてしまいがち。なので、この辺は今後のブログに活かしていきたいところです。

 

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 3冊の著書のほか「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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