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労務問題 最低賃金

物価は下がっているのになぜ最低賃金は上がるのか

2016/04/20

まだ正式に決まったわけではありませんが、私の住む愛知県の最低賃金は今年の10月から現行の758円から780円に上がる見込みです。

私が高校を辞めてコンビニでバイトしていたのが11年前、その時の時給が700円だったことを考えると、随分上がったなあという感想。当時一般的なモデルで20万円近くしたノートパソコンを、バイトで貯めたお金で買ったの思い出します。あの頃はまだ書き込み可能なDVDドライブが高かったし、USB2.0も普及し始めたばかりだったので、モデルによってかなり値段差があり、家電量販店や大須のパソコン街をよく歩きまわったものです。

話がずれました。

実はこの11年間、というか平成12年度からずっとなので12年間ですか、最低賃金が上がり続ける一方、ほとんど毎年のように物価は下がっています。なので、物価と支給額を連動させている年金の額は当然下がっています(下げ忘れもありましたが)。

物価と支給額を連動させている年金と違い、最低賃金というのは最低賃金審議会というところが、(1)労働者の生計費、(2)労働者の賃金、(3)通常の事業の賃金支払能力を総合的に勘案して決めていると言われていますが、まあ、要は人が決めているわけなので、その辺の要素をどこまで勘案するかは審議会の委員のさじ加減次第。

最低賃金を上げるって、経済学者などの一部を除けば、ほとんど反対されることのない政府からしたらおいしい政策です。しかも人(企業)の財布でできるのだから、世間の物価や賃金の変動を無視して毎年のように上がり続けるのもうなずける話。

今回の増額もアベノミクス効果というより、アベノミクス効果を演出するためのものだと考えたほうがいいでしょう。誰かが率先してそうした演出を行っているわけではないと思いますが、その当たりはみんなきっと空気を読んでいるのでしょう。

そもそも、最低賃金の上昇が労動者の保護につながるかどうかは諸説あります。最低賃金が上がれば上がるほど、企業は新規で労動者を雇うことをしなくなるので結果として失業者を労働市場から締め出し、現在就労中の労動者の既得権益だけを保護することになると言われているからです。

その賛否はともかく、個人的には人の褌だよりの最低賃金制度というものを好きになるのは難しいです。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。