突然ですが、あなたは社労士の仕事を具体的にどれだけ知っているでしょうか?
社会保険っていうからには年金とかかな?
労務ってことは労働基準法とか?
全然具体的ではないですが(笑)、企業の経営者や総務の方でもなければ、これぐらい思い付くなら、結構わかっている方なのではないでしょうか。
前回の記事でも少し書きましたが、社労士の主な顧客は企業の社長の方々です。どこかの会社の顧問となって月々の顧問料をもらう、というのが社労士のもっとも一般的なビジネスモデルなのです。
そのため、基本的には社労士の営業活動というのは、中小や業種を問わず企業やその経営者がターゲットととなります。というか、はっきり言って一般の方々へのアピールなんて二の次三の次です。ないがしろもいいところ。
しかも、社労士と経営者の方々との関係は、その仕事の内容上、密なものになりがちで、社労士と顧問契約を結んでいる企業に勤めている労働者の方々にも、その仕事内容が見えづらかったりします。
これでは、一般の方々が社労士の具体的な労務を知らなくても当然ですね。
私自身、自分が社労士であることを紹介すると、なにそれ?、というような顔をされたり、実際に業務内容を説明する必要があることがほとんどです。
前回の記事で、零細の新米社労士だけでなく、社労士として十分成功している方々までも「社労士の地位の向上」を訴えるのか、と疑問を投げ掛けてみました。
その大きな理由の1つが、こういった社労士の知名度の低さ、それも一般レベルでの絶望的な低さでしょう。
どんなに社労士の世界で成功を収めてもそれが正当に評価されないのは辛い、それどころかまともに評価してもらえない、となったら、建前では人に褒められるためにやってるわけじゃない、みたいな顔をしてても、本心ではやっぱり虚しい悲しかったりするもの。
でも、それは上に述べた理由を考えれば身から出た錆に違いないわけで、それも含めて「社労士の地位の向上」という言葉は寝言なわけです。