まるでゾンビやなあ~(他人事)。忘れたころに話題になる。
今更説明するまでもないと思いますが、去年の11月だか12月でしたか、「社員を鬱病にして会社をやめさせる方法」で一世を風靡し、愛知の社労士会から締め出され、厚労省の逆鱗に触れた社労士の件って。
当時はブログとか書いてPVとかもちょこちょこ稼がしてもらいましたが、今となっては、特に興味なし。ていうか、この人のせいで、愛知会の集まりがあると、会長の最初の挨拶が大抵この件で飽き飽き。
厚労省と訴訟中
で、この鬱病社労士、2月に厚生労働省から「業務停止3カ月」の懲戒処分を受けています。
なので、6月現在、懲戒処分自体は終わっているはずなのですが、厚生労働省の懲戒処分が重すぎるとして、国に対して訴訟を起こしているので、終了してるとも終了してないとも言えない状態。
「モンスター社員解雇ノウハウ」の社労士、処分取り消し求め提訴 名古屋地裁
ただ、勝っても負けても、その時点ではもう懲戒処分自体は終わっているはずです。
今回の標的は愛知県社会保険労務士会
今回、この鬱病社労士が起こした訴訟というのは、厚労省が処分を下す前に、この社労士が所属していた愛知県社会保険労務士会が下した処分に対して。
愛知県社会保険労務士会は、この鬱病社労士に対して「会員権停止3年」と「退会勧告」を行っています。
後者は「勧告」なのであれですが、前者の「会員権停止3年」の処分が有効であるかぎり、厚労省の懲戒処分が終わっても、社労士として業務復帰できません(他の都道府県会に入るという手もあるが、多分みんな拒否する)。
そこで、今回の訴訟では、重すぎるからこれを取り消せと、それだけでなく損害賠償として100万円払えというわけです。社労士会館とかいう不良債権を抱えている愛知会にそんな金出せっか、って話ですなあ。
炎上の懲戒基準がわかる、…かもしれない
冒頭で述べたように、今となっては大してこの件について興味ないのですが、ただ、今回の訴訟の如何によっては今後の労務管理の参考になるかもしれませんね。
というのも、ネット炎上を起こした労働者に対して、会社が迷惑や損害を被った場合、どれくらいの罰を与えるのが適当なのか、という基準は、いまのところ判例等がないこともあって、正直わからないからです。
炎上のもとなる事件のほとんどは犯罪ではない、しかし、本人だけでなくその周りも大きな損害を受けるのもまた事実。
で、愛知県社会保険労務士会はこの件で、会員に対して最も重い処罰を下したわけです。会社で言えば懲戒解雇みたいなもの。
これに対して司法が、重すぎるとするのか適当と判断するのかによって、1つの目安ができると考えられるわけです。
もちろん、愛知県社会保険労務士会とそこに所属する社労士の関係は労使の関係ではないですよ。でも、似たようなところはあります。
いずれにせよ、ネット炎上で所属組織に迷惑をかけた場合の懲戒はどのくらいが適正なのか、完全にはわからないまでも、裁判が判決まで行けば一つ目安ができそうなのです。
身を持ってネット炎上の労務管理の基準を教えてくれる元先輩社労士、ありがたやありがたやです。尊敬は絶対しないけど。