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副業 雇用保険

【雇用保険編】副業について法的に会社と労働者が気をつけるべきことPart3

2017/02/16

こちらの記事の続き。

【労災保険編】副業について法的に会社と労働者が気をつけるべきことPart2

このシリーズでは常に同じことを書いてますが、この記事で言う副業とはいわゆるダブルワーク、本業、副業ともに会社などに雇用される場合をいい、本業、副業のどちらかが個人事業を行う場合は除いています。

で、今日は雇用保険についてです。

(ここまでほぼテンプレ)

 

雇用保険は複数の事業所での加入は不可

雇用保険と副業の大原則は、複数の会社で加入することはできない、ということです。まあ、労災もそうだったのですが、雇用保険の場合はそれがより顕著なので、最初に言っておきます。

労働者が複数の会社で働く場合、労働者本人にとっての「主たる事業所」で加入することになります。要するに本業の方で入るわけです。

また、雇用保険の給付に関わる賃金については、複数の事業所で働いていたとしても合算はありません。なので、同じ給与でも、1つの事業所からもらっている場合と比べて、複数の事業所で働いている場合、保険料は少なくなるものの給付も減ります。

ただ、労災と違って、常に本業の賃金が基本になるので(労災の場合は、賃金の低い方で事故に遭うと、低い賃金を基に給付が行われる)、複数の事業所で、どこからもちょうど同じくらい給与をもらっている、というような場合でない限り、問題にはならないでしょう。

 

雇用保険から副業がバレたくない場合

マイナンバーで副業がバレる、という話がありますが、実はマイナンバーなんかなくても、本業先で雇用保険に入っていて、副業先でも雇用保険加入手続きが行われると、本業先にも副業先にも副業していることがバレます。

というのも、雇用保険に加入したまま他の事業所で雇用保険の加入手続きを行うと、雇用保険のシステムでエラーが出るからです。

で、システムでエラーが出ると、今から雇用保険に加入させようとしている会社には「(雇用保険加入中の)エラーで加入手続きができませんでした」と連絡が入るし、すでに雇用保険に加入している方の会社には「早く雇用保険の資格を喪失してください」という連絡がハローワークから届きます。

本業先からすれば、会社を辞めてもない社員の資格喪失をしろ、なんて連絡は明らかに不審ですから、ああ、これはどこか別の会社で働き始めたんだなあ、とわかるわけです。

ただ、副業の場合、労働時間が週20時間未満の場合も多く、となると雇用保険加入の条件をそもそも満たさないことになるので、副業先で雇用保険加入の手続きが行われない、ということも少なくないので、本業先に副業していることがバレたくないのであれば、あらかじめ副業先にその旨伝えておくか、労働時間を週20時間未満に抑えたほうが良いでしょう。

 

重要なのは自社で入るのか、副業先で入るのかだけ

会社からの視点で見ると、ダブルワークしている労働者について、特別、雇用保険でなにか気をつけることがあるかというと、実は特にありません。

繰り返しになりますが、雇用保険は複数の会社で加入することができません。加入していない方の会社の賃金や労働条件が加入している方の会社に影響を与えるということもありません。

なので、自社で雇用保険に入るのであれば、他の雇用保険に加入している労働者と同様に、そうでないのであれば他の雇用保険に加入していない労働者と同様に手続き等行えばいいわけです。

 

高年齢雇用継続基本給付金と副業

ちなみに、これはちょっとマニアックな話になりますが、60歳時の賃金よりも60歳以降の賃金が一定以上、下がった場合に、その差額を補填する雇用保険の給付として、高年齢雇用継続基本給付金というものがあります。

で、この高年齢雇用継続基本給付金、会社からもらう賃金によって額が変動します。当然、もらっている賃金が多いほど給付金の額は少なくなり、60歳時の賃金と比較して75%以上になると、そもそも支給がなくなります。

しかし、給付金の額の基準となる賃金はあくまで雇用保険に加入している側の会社でもらっている賃金で、他で働いていたとしも合算することはありません。

なので、本業で稼ぎすぎると高年齢雇用継続基本給付金がもらえなくなる可能性はありますが、副業だといくら稼いでも影響はないわけです(ただし、次回、解説する厚生年金では合算するので、あまり額が増えると年金カットの対象になることはあります)。

高年齢雇用継続基本給付金をもらっている高齢者の方にとっては、副業は有力な選択肢になるかもしれません。

 

以上です。以下、まとめ。

まとめ

  • 雇用保険は、複数の会社で加入することはできない
  • 雇用保険は「主たる事業所(本業)」で加入する
  • 本業と副業で賃金の合算は行わないので、保険料と給付額は本業の賃金が基準
  • 本業先と副業先の両方で雇用保険に加入すると、副業がバレる
  • 本業先で雇用保険に加入しているのであれば、本業先の会社が気をつけるべきことは特にない

 

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追記:本記事の続きはこちら

【社会保険編】副業について法的に会社と労働者が気をつけるべきことPart4

 

追記:本シリーズの続きのリンクを貼りました。

副業について法的に会社と労働者が気をつけるべきこと【労働基準法編】

【労災保険編】副業について法的に会社と労働者が気をつけるべきことPart2

【社会保険編】副業について法的に会社と労働者が気をつけるべきことPart4

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。