先日、日経新聞にこんな記事が。
タイトルだけ見ると、ガンになると4割は非正規労働者になってしまうような錯覚をしてしまいますが、中を読んでみると違います。
というのも、ガンが発覚しても86%の人は、転職せず同じ会社で働き続けられているから(これは記事内にも記載がある)。
なので、がんが発覚して、非正規労働者になってしまう人というのは、全体の5~6%ほどということになります。
うーん、これって典型的な釣りタイトルじゃ(実際わたし踏んだし)。女性芸能人の始球式に「ノーバン(ノーバウンド)」と入れて「ノーパン」と空目させるような(のとは、ちょっと違うか)。
通常の転職でも4割は非正規に
まあ、例え、5~6%でも、がん発覚後に正社員が非正規になってしまうのは問題だと考える人もいるかもしれません。
しかし、こちらの、
不破雷蔵氏の記事によると、2015年に正社員で転職した109万人のうち、41万人が非正社員となっています(人数のソースは厚労省の労働力調査)。
109分の41は約38%。
つまり、ガンであろうとなかろうと、転職すると約4割は非正規労働者になってしまっているわけです。
しかも、ガンが発覚しやすい中高年の転職は、上記の率よりもっと厳しいはず。
ガンの方の調査担当者が訳知り顔で「転職者の半数近くが非正規に転じている点は重い。同じ職場で働き続けられるよう、周囲の理解や環境整備が不可欠だ」とか言ってるけど、これってそういう問題なんですかね? ていうか、なんでガンじゃない人の転職状況調べないの、三菱UFJリサーチ&コンサルティング!
もちろんガンと闘いながら働き続ける人たちへのフォローはとても大切なことなのは間違いないですけど、そういった人たちに対して不利益な取り扱いをするのは本当にごく一部だと思うんですがね。あくまでも、わたしの実感では、ですが(健康保険の手続きの関係で、関与先の労働者がガンになったことを聞くことは珍しくないけど、どこもそのあたりきちんと配慮されてるし)。