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労務問題(時事) 解雇

ショーンK氏のように会社は経歴詐称者を解雇できるか

経営コンサルタントのショーン・マクアードル川上氏が経歴詐称をしていたということで、報道ステーションを降板、活動自粛することを表明しました

ショーンさんが報道ステーション降板、活動自粛表明 週刊文春の“学歴詐称”報道受け誤り認める

…ていうか、この人だれ?(笑)

テレビ見てないと、ネットニュースで知る文化人やら有名人が増えていかんですね。

 

経歴詐称者を解雇できるか

さて、本題ですが、例えば、会社にこのような経歴詐称や学歴詐称をしている労働者がいることがわかった場合、会社はその労働者を解雇できるのでしょうか。

結論から言えば、難しい。

難しいことが多いというほうが正確な言い方ですかね。

解雇について、会社や人事担当者が覚えておかないといけないのは、解雇するのは簡単だけど、それが表沙汰になったらすごい大変だということ。表沙汰、というのは裁判で訴えられるとか監督署に駆け込まれたら、という意味ですが、そういう場になると、会社の解雇が認められることは殆どないわけです。

で、経歴詐称にしても、労働者のほうがしていたからといってその解雇が正当であると第三者が判断してくれるか、というと必ずしもそうではないわけです。

 

その経歴や学歴は本当に業務に必要か

経歴を詐称するような奴は他でも嘘をついてるに違いない、というのは、まあ、一般論としてはわからないでもありません。

しかし、かたや、それが労働裁判の場になると、経歴詐称や学歴詐称していた労働者が、実際に会社で働いていて、他と遜色なく働いているとなると、そうした経歴や学歴はそもそもその会社で業務を行う上で大した問題ではなかったんでしょう? という判断になってしまうことがあるわけです。

そんなのおかしい、とわたしに文句言わないでくださいね。言うなら、日本の裁判官みんなに言ってください。

なので、経歴詐称や学歴詐称で解雇しようと思ったら、 「真実を告知したならば採用しなかったであろう重大な経歴」に対する詐称でないと難しい。逆を言えば、そうした経歴や学歴がその業務を行う上でいかに重要であるか、が論理的に説明できないと苦しいわけです。

 

有名人に対する処分は、社員の処分の参考にはならない

で、最後に、こういった有名人の事件があった際に、経営者や人事担当者の方が勘違いしてはいけないことは、こうした事例が、会社内の出来事に簡単に当てはめられるとは限らないということです。

今回のショーン・マクアードル川上氏の経歴詐称にしてもそうだし、プロ野球の賭博騒動にしてもそうですが、彼らがテレビ局やチームと結んでいる契約というのは、請負契約や委託契約であることがほとんどです。

つまり、労働契約ではない。

一方、会社と労働者が結んでいる契約は当然、労働契約ですから労働契約法の制限を受けるし、その他判例の影響も受けるわけです。

なので、芸能人や文化人、プロスポーツ選手の不祥事を参考に、自社の社員の処分を決める、ということはできるだけ避けたほうがいいし、そうした問題が社内で起きた際には、顧問の社労士の先生の意見をきちんと聞いたほうが良いと思います。

「自分力」を鍛える

今となっては、「それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?」なショーンK氏の著作。記事に画像入れたくて貼ってるだけなので、画像から飛んでamazonで買わなくてもいいですよ 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。