問題社員・炎上

「鬱病にして会社から追放したい」と言われたら、名古屋のブロガー社労士はこう答える

2015年12月5日

昨日の記事の続き。

「問題社員を鬱に」の炎上案件は、ブログ内容もメチャクチャだし社労士にとっても超迷惑

というか、昨日の記事の中に収めておけばよかったんだけど、書き終わった後に思いついたので別記事で。

この炎上事件というのは、例の経営者からの質問(というのはただの形だけで、実際には例の社労士が自分で作ったものだと思うけど)に対する答えがあまりに酷かったから、というのが発端だと思うのですが、じゃあ、仮に、わたしのもとにこうした依頼があったらどう答えるだろうか、というのが今回の記事。

顧問先や関与先か、それとも新規のお客様かで言い方は変わってくるかもしれませんが、言うことは一緒です。

 

Q:当社にいるモンスター社員は、上司に逆らう、遅刻する、タバコさぼりなど行動が異常です。なんとかうつ病にして会社から追放したいのですが、いい方法ありますか。もちろん会社が法的に責任取らなくていい方法に限ります。

A:モンスター社員の所業にお苦しみなのはわかりますが「鬱にさせる」必要はないし、それは様々な意味でやり過ぎだと思います

問題社員、モンスター社員、非常識社員、呼び方はいろいろありますが、そのような会社にとってマイナス影響の大きい社員を抱え続ける、というのは経営者の方にとって非常にストレスの掛かる状況だと思います。

おそらく、会社への迷惑に対する怒りや恨みつらみが溜まっているのだとは思います。そして、これもおそらくですが、復讐心から、鬱にさせたい、とお考えなのかもしれませがん、流石にそれは問題があると思います。

鬱にさせる、というのは精神的なことなのでイメージしづらいかもしれませんが、肉体に置き換えるなら、殴る蹴るの暴行を加えた上で骨折させるようなものです。殴る蹴るのような精神的苦痛が断続的に続かなければ人間、そうそう鬱になどならないからです。精神的にしろ肉体的にしろ、殴る蹴るの暴行を続ける。

そのような行為が合法的に行えるはずがありません。

あるとすれば、その方法にはどこか落とし穴があるはずです。

例えば、何かしらの方法で、実際に当該問題社員が鬱になれば、本人やご家族から訴えられる可能性があります。訴えられてそれがニュースになったりでもしたら、御社にブラック企業の烙印を押されることは免れないでしょう。

烙印を押されるだけならまだいいかもしれませんが、わたしが心配なのは経営者の方の心が本当にブラック化してしまうことです。一度、労働者を鬱にさせる方法を覚えてしまったあとに、当該問題社員に比べれば程度は全然マシなちょっとできないくらいの社員が現れた時に、その方法を使わずにいられるでしょうか。今は大丈夫と思うかもしれませんが、実際のところはその時になってみないとわからないものです。

問題社員への対応をお考えであるならば、就業規則や人事考課、人事・賃金制度をきちんと整えた上で、そのルールに則って行わなければなりません。もちろん、規則上のペナルティを与えるにしても、問題社員だけに与える、というのでは公平な制度とはいえず問題があります。

よって、全社員を対象にした抜本的な改革が必要となることでしょう。

こう聞くと面倒に思えるかもしれませんが、今目の前の問題社員だけでなく、今後入ってくるであろう問題社員に対応できるようになるのですから、会社の将来を考えれば決して高い投資ではないと思います。

最後に、問題社員対応は決して復讐心で行ってはいけません。それは私刑(リンチ)です。

 

以上です。

わたしも社労士として、問題社員にお困りの会社の経営者や人事・労務担当者の方々の力になれるよう日々業務を行っていますが、社員を鬱病にさせたい、という依頼はまったくもってその範疇外なので、そういうのは怨み屋本舗にでも頼んでください。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 3冊の著書のほか「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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