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炎上 社会保険労務士

「問題社員を鬱に」の炎上案件は、ブログ内容もメチャクチャだし社労士にとっても超迷惑

2016/01/05

ええっと、社労士業界には非常に迷惑な事件が起きましたね。事件というか、炎上案件というべきか。

「社員を病にさせてクビにする方法」提案する社労士 厚労省が「非常識」と驚くブログの大炎上

炎上の渦中にある社労士の先生は、わたしと同じ愛知で開業されている方ですが、別に面識もないのでいつものとおり好き勝手に書きます。付き合いが悪くて社労士の世界で顔が効かないのはこういう時に得です。

 

「鬱病にして」という質問がまずおかしい

まず、このブログ、質問形式なのですが、質問がぶっ飛んでますよね。

当社にいるモンスター社員は、上司に逆らう、遅刻する、タバコさぼりなど行動が異常です。なんとかうつ病にして会社から追放したいのですが、いい方法ありますか。もちろん会社が法的に責任取らなくていい方法に限ります。

※ 強調は筆者による

わたしもブログを書く人間なのでわかりますが、この質問は、実際に経営者からされたというよりはこの社労士自身が考えて作成したのでしょう。

当事務所もサービスの1つに問題社員対応を掲げ、実際に対応することもありますが、経営者の方は普通、「鬱病にして」なんて方法を指定したりしません(わたしのクライアントが紳士淑女な方ばかりだから、というのもありますが(笑))。

問題社員というのは、会社からいなくなってくれることが最重要なわけですから。

ただ、問題社員対応していると、経営者側の気持ちがわかる分、自分自身がその当該社員に対して怒りや憤りみたいな負の感情を持つことは多々あります。もしかしたら、それが行き過ぎると「社労士自身が経営者の気持ちを飛び越えて、鬱病にしてやりたい」と思ってしまうことはあるのかもしれません。最大限強調しておきますが、わたしはそういうことを思ったことはまったくありません。

だから、この質問は社労士による捏造だとわたしは判断。

 

鬱病にすることにノリノリなのもどうかしてる

また、質問のアンサーも同様におかしい。

仮に会社の経営者「鬱病にしてやりたい」と言ってきたら、「わかりました、こうこうこうして鬱病にしてやりましょう」なって言うわけがない。なので、社労士が経営側とか関係なく、この質問に対するアンサーの筆者の乗りっぷりには付いていけいない。

相手が誰であれ誰かを「鬱病にしてやりたい」なんて言ってきたら、「それはさすがに…」とまともな社労士、というかまともな人間なら思います。これは倫理的な意味でも当然ですが、仮に本当に鬱病になってしまった場合に、それが労災認定されたらそれこそ当該労働者を解雇できなくなる。それじゃ元も子もない。休業中の社会保険料とか面倒だし。

例え、私傷病と判断されても、労働者やその家族が鬱の原因が会社にあると判断すれば裁判で訴えてくる可能性もある。会社側からすれば、会社をメチャクチャにした、という意味での恨みが問題社員にあるかもしれませんが、鬱にされた方は鬱にされたほうで、恨みを抱くわけです。恨みの螺旋です。

件の社労士のブログでは合法パワハラや適法パワハラといった単語がよく出てきますが、それを最終的に判断するのは裁判所だし、労働基準監督署が、会社や社労士の判断と異なる判断をすることは珍しいことではないので、狙ってやれるかどうかも疑問があるわけです。

 

ネットリテラシー大丈夫?

また、こうした言葉がネットの世界でどのように受け止められるかについてもこの社労士は無頓着だったと言わざるをえません。

最近の炎上は大抵がTwitterはじまりですが、そのヘビーユーザーとして言うと、Twitterユーザーの大半は企業というものを悪と見ていて、ブラック企業という言葉はもちろん、それにまつわるパワハラや長時間労働、追い出し部屋といったブラック企業を髣髴とさせる言葉に大して強い拒否反応を示します。

よって、いくら「合法」や「適法」といった言葉が枕についていても、仮に「綺麗な」とか「美しすぎる」(!?)とかが付いても「パワハラ」という言葉の悪いイメージには勝てない。まあ「美しすぎるパワハラ」を橋本環奈ちゃんが毎日してくれるのなら話は別かもしれませんが(爆)。

話がずれましたが、普段からこのような言葉をネットで使っていて、それに対して、危機感がなかったのであれば、早晩、こうした炎上案件に発展することは避けられなかったでしょう。

 

炎上案件の懲戒が難しいのは社労士も一緒

J-Castの記事にはこの社労士に対する懲戒の話まででていますが、どうなのでしょうか。

まず、社労士っていうのは、社労士の不祥事に対して社労士が裁くということができません。社労士への懲戒権は厚生労働省が握っています。なので、この記者も厚労省の官僚に話を聞いたのでしょう。

よって、先に言っておくと、この社労士が所属する愛知県社会保険労務士会やその支部の1つである名古屋西支部は、実はなにもしようがない(※)。会や支部で役とか付いていたら解任くらいはあるかもしれませんけどね(付いてるかどうかは知らん。誰がなにやってるかも興味ない)。

(※:1月5日追記 実はやりようがあったことに、この時のわたしは気づいておらず、結果誤った情報を流してしまいすいませんでした。。詳しくはこちらの記事をどうぞ。)

ただ、とりあえず、愛知県の社労士会館に苦情の電話をするのはやめてあげてください。彼らに電話したってどうにもならないし、多分言ってもわからないだろうし。

で、こうした炎上案件というのは、F-Secureの時もそうでしたが、炎上案件というのは必ずしも刑事的に重大な事件ではない、むしろ刑事で罪を問えることの方が少ない、というのが懲戒時には大きなハードルとなります。一方、炎上に群がるネットイナゴは断罪を求めたがる。

このアンバランスさがネット炎上の対応を難しくさせるのですが、…厚労省の役人にそうした対応ができるとは思えないし、愛知の社労士会に懲戒権限があったとしてもそれは同様。

結局、自然鎮火するのを待つしかないのでしょう。全くもって同じ社労士としては迷惑な話です。

 

兎にも角にも驚きその他諸々の感情を隠せないということでぱくたそさんのこちらの画像でさようなら。

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。