年次有給休暇

Q10 就業規則では1週間前までに請求するようにと定めているのに、突然、明日有給がほしいと言ってきたのものがいるのですが・・・

2015年10月15日

A10 労働者による時季指定権の濫用に当たる可能性があり、その場合、必ずしも有給を与える必要はありません

労働者が有給を取得するのは、どのような目的で取得しても自由であるとされており、どの労働日に取得するかについての決定権も、時季指定権として労働者に認められています。

つまり、労働者が有給を取得する権利も時季指定権も、法律上の権利ということです。

権利というものは、無条件に行使できるものではなく、また、どのような権利であってもその濫用は許されません。

よって、この場合、「1週間前」という期間が客観的にみて合理的であるかと、それを破ってまで有給を取得することの正当性があるかが問題となります。

まず、有給の申請期間については、判例では「前々日」までの申請については合理的との判断をしているものの、それ以上となると、はっきりと判断しているものはないという状態です。なので、一般によくある1週間や10日という期間は、場合によっては長すぎるという判断が行われる可能性もゼロではありません。

一方、労働者があらかじめ決められたルールを破ってまで有給を取得することについて、例えば、親族に急な不幸があった場合などのように、労働者側に正当な理由がある場合ならそれを拒否することは会社に非のある行為と成でしょう。一方で、そうではなく、単に恋人とデートに行きたいなどの理由で、就業規則上の定めに違反して有給を請求するのは、労働者の権利の濫用といえるのではないでs。

ちなみに、ライトウェーブコンサルティングほか事件では、退職時の引き継ぎのないまま有給消化で退職しようとした労働者に対して、会社が時季変更権を行使したことについて、適法であったと判断しており、「労働者が請求すればいつでも好きなときに有給が取れる」という、よくある有給に関する勘違いを司法が否定しています。

 

有給休暇についてのQ&A

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所(名古屋)の代表。 人事労務と無関係に暮らしてたはずが、社労士だった叔父の病気を機に猛勉強。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 3冊の著書のほか「ビジネスガイド」「企業実務」など専門誌への寄稿、中日新聞での短期連載など、メディアでの執筆実績も多数

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