年次有給休暇

Q9 有給で会社を休んでほしくないので、その分を社員から買い上げすることは可能ですか

2015年10月15日

A9 有給の買い上げは労働基準法39条違反となります。ただし、退職予定者からの希望にそって買い取ることまでは禁止されていません

年次有給休暇の買い上げは法律で禁止されています。

有給とは本来、労働者が自分の好きな時季に休暇を取ることができる権利であり、歴史的には労働者が資本家から勝ち取った権利でもあります。

ただ、せっかく休暇がとれても、その間の給与が支払われないのであれば、休暇を取ろうとする労働者もいなくなってしまいます。そのため、休暇をとっても会社は給与を支払いますよ、というのが年次有給休暇というわけです。

つまり、有給とは休暇をとることが主であり、その日に給与を支払うことは副次的なものなのです。

この前提を押さえていただければ、有給を買い上げて労働者が休暇を取れなくなってしまうのは、本来の有給の趣旨を外れ、本末転倒だということがお分かりいただけるでしょう。

ただし、労働者が退職する際に、退職予定日までに有給の残日数を消化できるまでの日数が残っていない場合で、労働者から希望があった場合に有給を買い上げるのは禁止されていません。

 

有給休暇についてのQ&A

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。行動経済学会(幽霊)会員 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 3冊の著書のほか「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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