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就業規則

あなたの会社の内規はどのパターン? 内規の形に適した就業規則の形とは 

さて、この記事の続きです。

実は同じもの? 誰も教えてくれない内規と就業規則の違い

まず、企業の内規は、明文化されているかされていないかの2種類に分けることができます。

もちろん、これは内規を明文化している会社とそうでない会社に2つ分けることができるという意味ではありません。むしろ、この内規は明文化しているけど、あの内規は明文化していない、というようにバラつきがあるのが普通でしょう。

ただ、あまり細かいことを言い出すと収集がつかなくなるので、上記のような事情があることを汲んだ上で、それでもある程度単純化はさせていただきます。

で、それがこんな感じ

内規の明文化

 

内規がある程度明文化されていてそれが充実している会社、というのは基本的には大企業です。内規の代表的なものがマニュアルですが、マニュアルがあるということは、マニュアルにより個々の業務内容を統一する必要がある上、マニュアルが必要なほど、労動者が多くいるということでもあります。

内規が充実しているのに就業規則がきちんとしてないということはあまり考えられないので、ここでフォーカスを当てることはしません。内規を充実させる余力があるのに、就業規則や内規を守らせる余力がない、というのもあまり考えられませんし。わたしの関与先で最も大きいところはやはり就業規則も内規もきちんとされています。

よって、内規と就業規則の関係でより考えるべきは、明文化された内規がない会社。

 

明文化されていない内規=慣例

明文化された内規がないというのはどういうことかといえば、会社内の様々なルールを、その場その場で社長もしくは社員が決めていき、それらがいつしか慣例化しているという意味です。

業務に使用する機械(主に製造業)やPCソフトの使用方法などは、明文化された規則がなくても、元々使い方が決まっているので大きな逸脱はないでしょう。

問題は個人の携帯・スマホの使用や、会社のPCの利用範囲や、郵便物の発着簿の付け方や社内掃除のルール、お茶出しといった、就業規則や明文化するほどでもないようなルールに関わる部分です。

明文化されていないということは、つまり、明確なルールがないということ。じゃあ、ルールが無いのかといえば、実際にはその会社の空気によって決まっていたりして、そうしたルールを知る由もない新入社員からすると面倒で仕方ない。

本筋と外れますが、世の中、新入社員がすぐ辞めると嘆く経営者の方は少なくないですが、その要因の1つは、こうしたはっきりとしないルールが多すぎて、新入社員が息苦しい思いをしているせいかもしれません。

 

良い慣例・悪い慣例

とはいえ、わたしは、そうした明文化されていないルールを一概に否定する気はありません。

会社の雰囲気が前向きで、より効率的に、より公平に内規部分を社長や労働者同士が決められ、また、新入社員があまり入ってこない会社なら、わざわざ明文化する手間、ランニングコストを掛ける必要もないでしょう(もちろん、そうしたルールが法に触れてしまっていてはダメですが)。勝ってるときはメンバーを変えてはいけない、というサッカーの格言同様、会社がうまく回っているところにそれを制限するようなルールを作るのはリスクがあるわけです。

しかし、いつの間にか出来ていたルールによって会社内の雰囲気緩んでいる、あるいは会社や社長の意に反するようなルールが蔓延しているならそれは問題です。例えば、いつも自分のスマホを見てる社員がいたり、会社のPCでまとめサイトを見てる、みたいなことが普通になっていたり、私的外出を誰の許可を取ることなく行う人がたくさんいたり、とかです。そうした良くない習慣というのは定着してしまうと、内規の範囲でそれを是正するのはなかなか難しい。こうした場合、内規がどうとかよりも、就業規則を元に徹底的にやるしかない。

 

就業規則と内規のより良い関係

というわけで、超大雑把に会社の内規を3つに分けてみましたが、内規の性質によって適切な就業規則が異なる、というのがわたしの考えです。なので、それぞれについての就業規則について見ていこうと思うのですが、まず、すでに述べたように明文化された内規をある程度きちんと持っている会社というのはそれほど問題ない。というか、就業規則ともどもきちんとされているはず。ということで、ランニングコストの上昇にはかなりの部分まで耐えられるはず。よって、規則のフルコースみたいな就業規則でも大丈夫でしょう。

余談ですが、たまに中小企業の労務・人事部で気合の入った担当者が独自に就業規則を作成してたりしますが、たいていこのフルコース型就業規則になってることが多いですね。

明文化された内規がない、もしくはほとんどない場合ですが、まず、それによって会社内が上手く回っているのなら内規を無理して明文化する必要はない(あくまで今は、という意味ですが)し、就業規則のランニングコストを高めるような規則を無理して入れる必要もないでしょう。

コアの部分だけ就業規則で定めて、細則の部分はこれまでどおり内規的に行っていけば、業務の柔軟性や、労働者の裁量の度合いをキープしたまま、企業内の秩序も保たれるでしょう。

逆に、業務に対して前向きな雰囲気のある会社の場合、厳しい規則を定めて案外守れてしまうものなので、就業規則の規則を厳し目の方向に持って行っても大きな混乱は起こりにくい。よって、この辺りは、本当に会社とその社長さんによります。

一方、内規も整備されてなくて、会社の雰囲気も緩みきっているのであれば、ある程度のランニングコストを覚悟して、就業規則の内容を厳し目に持っていく必要があります。内規のように守っても守らなくても良い、という姿勢で挑むのではなく、就業規則としてきちんと定め、守らないといけない、という姿勢で企業風土の改善に挑むわけです。

 

この記事の趣旨は、内規と就業規則の関係を考えるものなので、深追いはしませんが、企業風土の改善というのは口で言うのは簡単ですが、行うのはかなりエネルギーが必要。少なくとも、会社のトップが先頭に立って率先してルールを作るだけでなく、そのルールを守っていき、守らない人間への公正なペナルティを行い風紀を正していかないということを忘れずに。

たまに就業規則を魔法の本だと勘違いして、就業規則さえきちんとすれば会社の問題は解決すると勘違いされる経営者の方がいらっしゃいますが、誰も守らない就業規則なんて紙切れ同然だということもまたお忘れなく。

 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。