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マイナンバー 時事問題

マイナンバーの個人番号カードは転売屋撲滅の切り札

2017/07/12

USJの転売不可措置

Yahooニュースでも話題になっていましたがUSJが転売チケットを11月1日から無効としました。

USJ、転売チケット無効化開始 初日は11組が使えず

こちらは以前に出ていたUSJのリリース。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはゲストの不利益をなくすため、不正転売の撲滅を目指します

USJに行ったことがないので当然チケットを手にしたことないし、入場時のチェックなんかもどうしてるのか知りませんでしたが、どうも入場時にチケットのQRコードを読み込むらしいですね(年間パスの場合は顔認証も)。

なので、そのチケットが、大量購入などの明らかにおかしな買われ方をしたチケットかどうか、というのは確かにすぐにわかりそう。

ただ、パーク引き換え以外は入場時に身分証の掲示も必要ないようなので、大量購入でない個人から個人へ、という転売についてどこまで把握できるのかはわかりません。

ただ、そうした個人による少枚数の転売行為もマイナンバーの個人番号カードが普及してくると難しくなってくるかもしれません。

 

マイナンバーの公的個人認証サービス

TwitterやFacebookのようなソーシャルネットワークサービスではよく、芸能人になりすましたアカウントが生まれては消えていきます。その芸能人になりきって個人が楽しむためのものもあれば、その芸能人の評判を落とそうとするものもあり様々ですが、そうやって簡単に別の人になりすませてしまうのがネットの特性でもあります。

で、そうしたなか、来年の1月以降に発行が始まるマイナンバーの個人番号カードに内蔵されるICチップには本人の電子証明書が内蔵されることになっていて、それを用いた公的個人認証サービスも、来年の1月以降、総務大臣の認定を受けた民間事業者への開放が予定されています。

どういうことかというと、これまで国はネットからの申請等に対しては、国が発行する電子証明書を通じて申請者の本人確認を行ってきました(わたしも社労士の電子証明書を持っています)。電子証明書とはネット上の身分証明書、あるいは印鑑ともいうべきものです。

今までは、この電子証明書を用いた本人確認(すなわち公的個人認証サービス)は、国しか使えなかったのですが、来年の1月以降は認定を受けた民間企業でも使えるようになるのです。

電子証明書はマイナンバーと紐付いているので1人1つしか持てません。なので、例えば、TwitterやFacebookがこの認定を受け、アカウントと電子証明書のひも付けを義務化すると偽物アカウントを作成することや、1人で複数のアカウントを持つことはできなくなるでしょう(TwitterはともかくFacebookはいつか本当にやりそう)

 

ネットやメディアでは、マイナンバーによるなりすましを危惧する報道や論調が目立ちますが、電子証明書と公的個人認証サービスは、そうした危惧とは逆に、ネット上でのなりすましを防ぐことになるわけです。

公的個人認証サービス

公的個人認証サービスによる電子証明書(総務省)より。わかりやすく簡略化して説明すると、上の画像の左側(青枠)が電子証明書がネット上の印鑑、右(黄枠)が電子証明書がネット上の身分証明書。

 

チケットの転売は事実上不可能となる

こうした偽物防止や複アカ防止の恩恵はなにもソーシャルネットワークサービスに限りません。

ネット通販、特にイベント等のチケットを販売する会社(チケットぴあなど)や、先述したUSJのように入場券をネット販売している会社はこうした制度により転売やダフ行為を防ごうとするはずです。

なぜなら、チケットに限らず、ネット通販の場合、ほぼ必ずそのサイトに無料会員登録し、アカウントを作成しないといけません。チケットの場合、アカウント1つにつきチケット何枚まで、と決まっているのが普通ですが、転売屋などは1つのサイトで偽造のプロフィールで作成したアカウントいくつも作って、複数のアカウントから何十枚とチケットを買っているわけです。(知恵袋にこんなのあった)

しかし、アカウントと電子証明書を紐付けを義務付ければ、まず、複アカ作成ができません。電子証明書はマイナンバーに紐付いているわけですから当然ですね。

また、電子証明書に紐付いたメインアカウントで買ったチケットを転売してそれがバレたりすると、そのアカウントが凍結される可能性があるわけですが、その際に、電子証明書ごと凍結されてしまうと、その人は二度とそのサイトを利用できなくなる可能性すら生まれます。今までなら、アカウントが凍結されても何食わぬ顔で別のアカウントを作成すればよかったのに、アカウント作成に必要な電子証明書が使えないわけですから。

そうなると、プロは即効アカウントを凍結されるし、プロではない人の小遣い稼ぎにしてはリスクが大きすぎてやらなくなるので、事実上チケットの転売はできなくなるでしょう。USJのネット販売でそんなことやったら、二度とUSJに入れないかもしれないわけですから(当日券で頑張るしかない)。

政府はこうした構想をさらに一歩進めて、2020年の東京オリンピックまでに、チケットなどをやめ生体認証による入場まで考えているようですが、指紋でやるにせよ顔でやるにせよ、それ以外でやるにせよ、あと5年で国民の生体情報まで集められるかという時間的な問題や、そうした生体情報を国に渡したくないという感情的反発等を考えると、そうなるにはまだまだ時間がかかる気がします。

 

もちろん、イベントチケットにしろソーシャルネットワークサービスにしろ、いきなりアカウントと電子証明書のひも付けを義務付けることはないでしょう。しかし、いち早くアカウントと電子証明書のひも付けを行うユーザーに対する優遇措置は十分考えられます(ETCのときがそうでした)。チケット代の割引とかね。

マイナンバーの個人番号カードによる国のサービスの向上は、一般の人にはわかりづらいし実感しづらい点が多いので、なかなか普及の後押しになりづらいと思うのですが、民間のサービスは生活に直結する部分が多いので、民間による公的認証サービスの活用には今後も注目していきたいと思っています。

ただ、電子証明書の使用に、カードリーダー必須っていうのはどうかと思うけど。(これについては、また別の機会に)

 

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名古屋の社労士事務所、川嶋事務所の代表で、このブログの筆者。 新しいこと、もの、特にIT関連が大好きで、社労士としては会社・労働者のITトラブル対策・就業規則作成が得意分野。 2016年4月から9月まで中日新聞で「働く人を守る労働保険」を連載、開業社労士専門誌「SR」に寄稿するなど、メディアでの執筆活動も。