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社員のSNSでの会社批判が炎上ではなくバズりだしたらどうすべきか

一時期に比べると、最近はいわゆる「バカッター」が話題になることは減っているように感じます。

ただ、じゃあ、会社は従業員のSNSに対し無頓着でいいかというと、実はそうともいえかったりします。

というのも、最近は「会社批判的なSNSの投稿がバズる」ことがちょくちょくあるからです。

 

会社の幹部のデジタルリテラシーのなさを批判したツイートが話題に

具体的な事例でいうと、つい先日、

「日本幹部のzoomの設定をしている若い人が休みになったため、海外支部の幹部とのzoom会議が中止になり、海外幹部がぽかんとしていた(海外幹部からしたらzoom設定を自分でやるのは当たり前のため)」

といった主旨のツイートがバズっていました。(元ツイートが消えている上、上記のツイートをしたアカウントが現在鍵アカになってしまったので、わたしが覚えてる限りの内容を書かせていただきました)。

このツイートには多数の賛同・共感のリツイートやリプライ、いいねが付いており、リプライには「自分の会社や取引先でもこういったことがよくある」「やり玉に挙げられた日本幹部への批判(zoomの設定くらい自分でしろ、そんなこともできないやつが幹部だから日本の企業はダメなんだ)」などが書かれていました。

さて、注意しないといけないのはこのツイートは決して「炎上」していたわけではないことです。

あくまでバズっていたに過ぎません

 

炎上とバズの違い

「バズ」とは、SNS等で特定の投稿が短期間かつ広範囲で話題になることをいいます。

特定の投稿が話題になるという意味では「炎上」も広義の意味では「バズ」といえなくもありません。

ただ、炎上の場合、主に投稿に対する批判によって注目が集まっており、そのためその反応には攻撃的なものが多く含まれます。

一方、「バズ」に関しては、短期的かつ広範囲で話題になるベースに賛同や共感があります。

非常に大雑把にまとめるなら、悪い意味で注目を集めているのが「炎上」、いい意味で注目を集めているのが「バズ」と考えて良いでしょう。

 

会社にとって望ましくない投稿への対応

さて、「バズ」はいい意味で注目を集めていること、と書きましたが、この記事で触れてる件は少なくとも会社にとってはいいバズりではありません。

会社として恥ずかしい部分を暴露されたわけですし(もしかしたら、暴露された幹部は恥ずかしいと思ってないかもしれないが、それはそれで問題)、実際、その会社を批判するリプライもありました。(ていうか、僕自身、引用リツイートで強めのことを言いました)

なので、今回のような会社批判投稿は、会社としてはあまり放置したくないものといえます。

では、会社としてどのような対応をすればいいのでしょうか。

 

従業員に対し、当該投稿の削除を要請または命令

一番わかりやすい方法はその社員に対し、投稿を削除するよう会社として要請、あるいは命令を出すことです。

ただ、労働者個人のアカウントによるSNSの投稿については、業務外のプライベートな行動です。

なので、会社が命令することができることなのか、という論点は残ります。

一方、要請であれば強制ではなく、労働者側の任意となるのでこうした問題はなくなるものの、強制力はなくなります。

また、いずれの対応をするにしても根拠となる規定が必要であるため、就業規則等にはあらかじめSNSに関する規定を入れておく必要があります。

その他、投稿内容があまりにも悪質な場合、懲戒処分や刑事告訴といった対応も考えられます。

 

サイト管理者への削除請求

当該従業員が投稿の削除に従わない場合、サイト管理者に対して削除請求する方法もあります。

削除請求の方法は、サイトに直接請求するものや、弁護士等を通じて行うものなど様々ですが、当然、会社側の言い分だけで削除が行われるわけではありません。

サイト管理者の判断で行われる場合もあれま、サイト管理者等が当該投稿者の意見を聴くこともありますし、弁護士等を通じて行われる場合、司法の場で判断が行われることもあります。

 

炎上とバズで同じような対応をしていいのか

ただ、上記のような対応は「炎上」した投稿に対して行う分には問題がない(というか、積極的に行うべき対応)のですが、「バズ」に対してもこうした対応をしていいのかは、一度立ち止まって考える必要があります。

なぜなら、バズっているということはその投稿や投稿者を支持する人たちが一定数いるということだからです。

なので、下手に「火消し」に走ると、それをきっかけに「バズ」ではなく「炎上」が始まる可能性があります。

例えば、従業員に投稿の削除を命令をしたり、懲戒処分を行ったりした場合に、そのことをSNSで暴露され、非難の矛先が会社に向くというのは十分に考えられる流れです。

 

バズった理由を真摯に受け止める

SNSは社会の一部であり全てではないので、SNSのプラットフォームを理由する人たちの集団自体にバイアスやズレがあることもあります。

ただ、そうした場とはいえ、会社にとって望ましくない投稿がバズっているということは、会社が好ましくないと思う感覚と世間の感覚にいくらかのズレがあるのは間違いありません。

そのため、会社批判の投稿を咎めたり、削除を命令することに固執するのではなく、バズった内容やその理由を真摯に受け止めることも、会社が今後も成長を続けていく上では重要なことのように思います。

解決方法の一例

以上を踏まえ、今回のような問題が起きたときの具体的な解決方法として、以下のような流れを考えてみました。

  • 当該労働者と「投稿の内容」に関する批判を真摯に受け止め、会社として解決を目指すことを約束する
  • そのことを(問題の解決を目指すことについて約束したことを)投稿させた上で、当該投稿の削除をさせる

上記はあくまで一例です。

投稿を削除させるかどうか、正直好みですが、投稿が残ってると後から掘り返される可能性もあるので、削除できる場合は削除した方がいいでしょう。

あと、ぶっちゃけ、投稿に会社名等がなくて第三者が(よっぽど調べないと)わからないような場合、無視するのも手だと思います。

炎上の場合、会社名や投稿者の個人情報を躍起になって特定する人がでてきますが、バズりの場合は基本的にそうしたことは少ないので。